発達障害の種類とは?保育園児に見られやすい特徴をわかりやすく解説

ADHD

保育園に通うわが子の姿を見て、「ほかの子と少し行動が違うかも」「園の先生から気になる様子があると言われた」と不安を感じていませんか。

子どもが成長するにつれて、落ち着きのなさや強いこだわりなど、日々の生活で気になる場面が出てくることがあります。しかし、インターネットで調べてみても、難しい専門用語が多くて戸惑ってしまう保護者の方も少なくありません。

発達障害にはいくつかの種類があり、特徴の現れ方やお子さんの得意・不得意は一人ひとり大きく異なります。まずは基本的な知識を知り、お子さんが安心して過ごせる関わり方のヒントを見つけていきましょう。

生まれつきの脳機能の働き方の違いによって、得意・不得意の大きな偏りが生じる状態を発達障害と呼びます。

ここでまず知っておきたいのは、「発達の特性」を持っていることと「障害」であることは同じではないという点です。誰にでも「じっと座るのが少し苦手」「初めての場所が不安」といった個性や特性があります。

その特性によって、保育園生活や日常生活の中で本人に強い困りごとが生じているときに、支援や配慮を考える目安となります。子どもの発達ペースには大きな個人差があるため、気になる行動があるからといってすぐに障害と決まるわけではありません。

また、発達障害は生まれ持った脳機能の発達の仕方の違いによるものです。保護者の育て方や愛情不足が原因ではありません。

お子さんが過ごしやすくなる工夫を、周りと一緒に少しずつ考えていくことが、特性と上手に付き合っていくためのポイントになります。

3歳のおしゃぶりがやめられない…どうすればいい? 心理士が教える無理なく卒業する4つのステップ
「もうすぐ3歳になるのに、まだおしゃぶりが手放せない」「周りの子はとっくに卒業しているのに」と、焦りや不安を感じていませんか。子どもにとってのおしゃぶりは、単なる癖ではなく気持ちを落ち着かせて安心するための大切なお守りになっていることがあり…

発達障害と一口にいっても、その現れ方や特性にはいくつかのタイプが存在します。

代表的なものとして「ASD(自閉スペクトラム症)」「ADHD(注意欠如・多動症)」「SLD(限局性学習症)」「DCD(発達性協調運動症)」の4つが挙げられます。複数の特性をあわせ持っているお子さんも珍しくありません。

それぞれの基本的な特徴と、保育園生活で見られやすい場面を見ていきましょう。

自閉スペクトラム症(ASD)

ASDは、対人関係のやりとりや、こだわりへの柔軟な対応が苦手という特徴を持っています。

保育園では「急なお散歩コースの変更でパニックになる」「ミニカーを決まった順番で並べ続ける」といった姿が見られることがあります。また、大きな音が苦手だったり、特定の肌触りを嫌がったりする感覚の過敏さも特徴の一つです。

これらはお友達への関心がないのではなく、関わり方が分からず戸惑っている場合もあります。

こだわりがあるからといって、すぐにASDと決まるわけではありません。

ADHD(注意欠如・多動症)

ADHDは、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの特徴が目立ちやすい傾向にあります。

園生活では「朝の集まりで座り続けることが難しい」「気になる遊具を見つけると一人で走っていってしまう」といった行動として現れます。順番を待つ場面で割り込んでしまったり、相手が話しているときにかぶせるように話し出すことも少なくありません。

これらは決して「わがまま」や「しつけ不足」ではなく、脳のブレーキ機能が発達の途中段階にあるために起こると考えられています。

限局性学習症(SLD)

SLDは、全体的な知的な遅れがないものの、「読む」「書く」「計算する」といった特定の分野だけに強い難しさを感じる状態です。

本格的な読み書きや計算の授業が始まっていない保育園の段階では、判断が難しい特性といえます。ひらがなへの興味や絵本の読み聞かせの反応などで「もしかして?」と思われるケースも多いです。

発達性協調運動症(DCD)

DCDは、手先の細かな操作や全身を使った運動が、年齢に比べて極端にぎこちない状態を指します。

保育園では「ボタンかけやお着替えにとても時間がかかる」「ハサミで線を切ることが難しい」「ボールをキャッチできない」といった場面で見られます。

これは単なる「運動が苦手な子」というわけではなく、脳が手足の筋肉へ出す指令の連携がうまくいかないために生じる困りごとです。

ASDやADHDと併存することも多いと指摘されています。

集団生活が中心となる保育園では、ご家庭とは違った場面でお子さんの気になる姿が見えてきます。

園生活で気づかれやすい代表的な様子には、以下のようなものがあります。

  • おもちゃの片付けやお昼寝など、活動の切り替えがスムーズにいかない
  • お友達との関わりでトラブルが多く、集団行動にうまく入れない
  • 遊びの手順や物の置き場所に、強いこだわりを見せる
  • 園庭の砂の感触や、お遊戯室の大きな音楽に強い拒否反応を示す
  • 先生のお話を聞く場面で、じっと座っていることが難しい
  • お着替えや箸、ハサミの操作、ボール遊びが同年代に比べて極端に苦手

ただし、これらの姿が見られるからといって、必ずしも発達障害であるとは限りません。

保育園児の時期は、心も体も急速に成長している真っただ中です。同じ学年であっても、生まれ月や成長のスピードによってできることには大きな差があります。一時的な成長のステップである場合も多いため、すぐに決めつけない姿勢も大切です。

「わが子の様子がどうしても気になる」と感じたときは、ご家庭だけで悩みを抱え込まず、次の3つの行動を試してみましょう。

1.気になる場面をメモする

まずは、お子さんがどのようなときに困っているかを簡単に記録してみましょう。

ノートに細かく日記を書く必要はありません。「いつ、どこで、何があったか」を、スマートフォンのメモ機能などに1〜2行残すだけで十分です。「眠い夕方に切り替えが難しかった」「急な予定変更で泣いてしまった」といった具体的な記録は、専門窓口へ相談する際の大切な手がかりになります。

2.保育園の先生に様子を聞く

ご家庭と保育園では、環境やお友達の有無が異なるため、子どもの見せる姿が大きく違うことがあります。

お迎えのときやすきま時間に、「園ではお友達とどのように過ごしていますか?」「困っている様子はありませんか?」と先生に尋ねてみてください。園での様子を共有してもらうことで、家とは違ったお子さんの得意な面や苦手な場面を客観的に把握しやすくなります。

3.健診や自治体の相談窓口を利用する

気になることが長く続くときは、市区町村の乳幼児健診や発達相談窓口を気軽に活用してみましょう。

こうした相談先は、けっして「障害の診断を下すためだけの場所」ではありません。専門の保健師や心理士が、日々の声かけやご家庭での工夫について一緒に考えてくれる心強い場所です。早い段階で相談につながることで、お子さんも保護者の方も気持ちがぐっと楽になるでしょう。

発達障害の子の行動が「幼く見える」のはなぜ?精神年齢ではなく発達の凸凹を理解しよう
「同年代のお友達と比べて、うちの子はどこか幼い気がする……」「言葉はたくさん知っているのに、着替えや片付けがうまくできない」未就学児や小学校低学年のお子さんを育てている保護者の方のなかには、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょ…

発達が気になるとき、つい「発達障害かどうか」という白黒の判断ばかりに意識が向いてしまいがちです。

しかし、本当に重要なのは診断名をつけることではなく、「お子さんが今、どんなことに困っているのか」を理解してあげることではないでしょうか。

「言葉だけでなく絵や写真で見せると伝わりやすい」「静かな場所を用意すると落ち着いて過ごせる」など、できる工夫はたくさんあります。

また、苦手なことだけでなく「何が好きなのか」「どんなことが得意なのか」というポジティブな面にも目を向けてみてください。

診断の有無に関係なく、お子さんの特性に合わせた環境づくりを少しずつ進めていきましょう。

発達障害にはASDやADHDなどさまざまな種類があり、その特徴や現れ方は一人ひとり異なります。

保育園児のうちは成長の個人差も大きいため、気になる特徴があるからといって家庭だけで焦って判断する必要はありません。まずは日々の困りごとに寄り添い、環境や声かけを工夫してみましょう。

不安なときは一人で抱え込まず、園の先生や自治体の相談窓口など、身近な支援者に相談してみてくださいね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました